II. 研   究 (Researches)

1. 問題の現状

1).廃棄物問題
途上国では適切に処理されないゴミが大きな社会問題になっています。写真下左はカンボジア国プノンペン市内の様子を撮ったものです。適切に収集されないゴ ミが放置されたままになっています。下右はベトナム国ハノイ市郊外にあるゴミ処分場の写真です。整地は行われていますが、覆土は不十分で、侵出水やガスの 処理は全く行われていません。場内には大勢の廃品回収人が入りこんでおり、危険と隣り合わせで活動しています。
            

2).水と衛生の問題
安全で十分な水の確保ができないこと、利用された後の水をきちんと処理できないこと、これは21世紀の人類が直面している最も深刻な環境問題です。途上国 では、水道、下水・排水施設の整備が遅れています。そのため人々は生命の損失という極めて深刻なリスクにさらされています。写真下左は、公共の水道栓で水 を汲 む人々(ネパール国)です。途上国ではたいてい水汲みは女性や子供の仕事で、負担の大きい家事労働になっています。また、下中はネパール国カトマンズ市内 の、下右は インド国ムンバイ市内の河川の状況を撮ったものです。生活排水・工場排水が無処理で放流され、下水溝のような状況になっています。
      
    

3).エネルギー問題
途上国におけるエネルギー事情は、我が国と大きく異なっています。開発が遅 れた途上国ほど薪や農業残さが主要なエネルギー源になっています。また、牛糞など の利 用も珍しくありません。途上国のエネルギー問題は、薪採取などによる森林劣化や牛糞を肥料として利用できないことによる土壌質の低下といった環境問題と 深く結びついています。写真下右は市販の薪を運ぶ少女、下左は形成された牛糞の写真です(いずれもネパール国)。

     


2. 研究テーマ
上記の問題に関し、以下のテーマに取り組んでいます。
   1) 途上国に適した環境管理のあり方
   2) 途上国に適したエネルギー源の開発

1)については、これまで廃棄物問題を中心にアジアの開発途 上国を対象に現地調査を実施し、問題の現状と適正な管理のた めの課題を明らかにしてきました。また、市民を対象とした聞き取り調査も幾つかの国々で実施し、市民の考える環境財の価値を明らかにしてきました。今後は この様な環境情報をさらに蓄積すると共に、途上国の実情に合った環境管理手法を確立することが課題です。

2)については、途上国に適したエネルギー生産技術として”バイオガスプラント”に着目し、その適用性、経済効果等を検討してきました。今後はこの技術を 普及させるために必要な政策的な課題を明らかにしていきたいと考えています。
バイオガスプラントに興味のある方は、こちらをご覧 くださ い。