adip.m

 M ファイル adip.m は,図 1 に示すアーム型倒立振子(pendubot ともよばれる)の LPV モデル
  
の係数行列を与えるものである.以下に,その導出手順を示す.


図 1 アーム型倒立振子
<動画> GS 制御(30 [deg]45 [deg]60 [deg]),
LQ 制御(30 [deg]45 [deg]

 図 1 に示すアーム型倒立振子は,速度制御型モータドライバによりギアード DC モータが駆動されている.このことを考慮すると,振子がアームに与える影響は十分小さいので,アーム型倒立振子の非線形モデルは,
  
となる.ただし,
  
であり(パラメータの意味については,M ファイルを参照), は速度指令電圧である.

図 2 初期状態と目標状態

 ここで,図 2 に示す初期状態から目標状態に制御することを想定し,以下の仮定を設ける.
  (I) 振子は倒立点近傍 () で動作する.すなわち,
  
である.
  (II) 遠心力・コリオリ力の項 が無視できるほど小さい.
このとき,非線形モデルは
  
のように単純化される.この上式を下式に代入し,さらに,スケジューリングパラメータを
  
と定義すると,
  
すなわち,
  
が得られる.
 以上より,状態変数と操作量をそれぞれ
  
とすると,LPV モデル
  
で表すことができ,その係数行列は以下のようになる.
  

参考文献

  • 川田,市原:SOS に基づくアーム型倒立振子のゲインスケジューリング制御,第 10 回 SICE 制御部門大会,(2010)
  • H. Ichihara and M. Kawata: Gain scheduling control of an arm-driven inverted pendulum based on sum of squares: comparison with a SDRE method, the 18th IFAC World Congress, to appear, (2011)
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