システム制御情報学会 学会誌 「システム/制御/情報」 55 巻 5 号,2011 年
[4] ランダマイズドアルゴリズムによるロバスト制御系解析・設計(和田・藤崎)
ex2_sys.m, ex2_h2norm.m
線形システム
において,不確かなパラメータが
のいずれかの値をとるものとする.また,評価関数を
としたとき,与えられた確率レベル について,
の推定値 を求める,確率的最悪ケース性能問題を考える.
この問題を解くため,確率レベル を与え,
を満足する最小のサンプル数 とランダム抽出された に対し,
を計算する.このとき,
が成立する確率が より高いことを保証することができる.
としたときの実行結果を以下に示す.この結果からわかるように,不確かさの要素の
95 % 以上に対して,システムの ノルムが (1 回目の実行結果では 0.46261,2 回目の実行結果では 0.45579)以下であることを,信頼度 99.9 % で推定できた.
実行結果 (注意:実行ごとに結果は異なるので,解説記事の結果と異なる) |
>> p_star = 0.95; del = 0.001; N = ceil(log(1/del)/log(1/p_star))
N =
135
>> gamma_est = perfwc(@ex2_sys, @ex2_h2norm, p_star, del) % 1 回目の実行
Number of samples by 'log-over-log' bound is: 135
With probability 0.999, Prob{Performance <= 0.46261} >= 0.95
gamma_est =
0.4626
>> gamma_est = perfwc(@ex2_sys, @ex2_h2norm, p_star, del) % 2 回目の実行
Number of samples by 'log-over-log' bound is: 135
With probability 0.999, Prob{Performance <= 0.45579} >= 0.95
gamma_est =
0.4558
なお,このシステムの ノルム は,Lyapunov 方程式
の正定対称解
を用いて,
のように解析的(厳密)に計算されるから,その最大値は,
である.
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