1996年度気体軸受研究会報告

気体軸受を対象に,基礎研究を行なっている者,応用・開発の仕事に携わっている者,あるいは,仕事とは離れて気体軸受に興味をもっている者が集まり,気軽に話し合う場として運営を続けている気体軸受研究会は,今年度で18年にもなる。委員数は51名で, 本年度は4回の研究会を開催した。講演していただくテーマは気体潤滑に基礎から,応用・開発まで幅広く,@高剛性静圧気体軸受と安定性(ロッツ大,東北学院大 Z.カジミエルスキー),A静圧気体軸受における極微少振動(東京理科大 吉本成香),Bエヤスピンドルの回転精度測定法とその評価(日本精工 野口昭治),C静圧ピストン構造超精密エアーサーボテーブル(京セラ 大隅雄三郎),D三次元測定機用の静圧気体潤滑倣いプローブ(ミツトヨ 中村哲夫),E超微少すきまでの分子気体潤滑(鳥取大 福井茂寿),Fスリップ流と自由分子流の結合表現を用いた薄膜気体潤滑方程式(三菱電機 市川 晃),Gスライダー軸受の負荷容量特性(日立製作所 村主文隆),H小型VTRのヘッド・テープ・インターフェイスの検討(三菱電機 谷 豊文),Iスクイーズ効果を利用した高速応答型流量制御弁(東京理科大 吉本成香),J海外での潤滑技術情報(富山県立大 春山義夫),などである。
会合後,時間に余裕のあるものがワリカンでビールを飲みながら,研究会での場よりもさらにお気軽におしゃべりを楽しむ「二次会」も続けている。18年の長いお付き合いの研究会となっているが,どのようにすれば,より有意義な会となるかをよく考えて運営したいと思っている。

[矢部 寛:トライボロジスト,Vol.42,No.6,1997]