1997年度気体軸受研究会報告

本研究会は,種々の気体潤滑問題を対象に,基礎研究を行なっている者,応用・開発の仕事に携わっている者,あるいは,仕事とは離れて気体軸受に興味を持っている者が集まり,気軽に話し合う場として運営され,設置以来19年となる。京都を開催地として本年度は4回の研究会を開催した。委員数は50名で,オブザーバーを含め毎回約30名が参加している。取り上げたテーマは,気体潤滑の基礎から応用まで幅広く,@静圧気体軸受における可変絞り要素の小型化(東京理科大,吉本成香),A変位補償型高剛性静圧気体スラスト軸受(ミツトヨ,境 久嘉),B静圧空気潤滑直進案内の性能(東北学院大,十合晋一),C負圧利用形静圧気体スラスト軸受(関西大,山下朋昭),D静圧気体ジャーナル軸受の回転精度特性(京都大,矢部 寛),E揺動アクチュエータ方式磁気ディスク装置における一様浮上スライダとその特性(滋賀県立大,田中勝之),F磁気ディスクシーク時外乱による磁気ヘッド機構の動的応答特性(日本電気,橋本雅伸),G磁気ディスク装置の現状と将来展望(関西大,多川則男),H流体潤滑流れと軸受外部流れとの干渉(福井大,坂口洋之),IDSMC法によるナノメータ浮上ステップスライダ気体軸受の特性解析(鳥取大,山根清美),J分子気体潤滑特性の簡易評価法(鳥取大,福井茂寿),K非接触ガスシールの特性(日本ピラー工業,布施敏彦),等である。
会合後,時間に余裕のあるものがワリカンでビールを飲みながら,仕事のこと,研究のこと,趣味のこと等々,楽しいおしゃべりをする「二次会」も続いている。 
[矢部 寛(京都大学)]