H24年度 活動報告(眞柄)

北海道大学 受入研修

 平成25年2月26日〜27日までの2日間、舞鶴高専にて北海道大学の技術職員 川村氏他2名様を対象に、『NCVCによる、かんたんCAD/CAMとNC加工』と題して受入研修を実施しました。
 この受入研修は、教育研究支援センターが独自に企画・運営し、担当技術職員が講師となってきめ細かな研修を実施するものです。そのため、受講者のスキルを考慮して内容を進めることは無論のこと、こちらから一方的に教えるだけではなく受講者が抱える課題の解決も併せて実施します。また、技術懇談として受講者からのプレゼン(職場紹介)をして頂きました。
スケジュールはこちらです。

1日目

マシニングセンタの基本操作と加工演習

 本来であれば実機を用いた加工演習を実施する予定でしたが、実習工場の工事計画があとから決まり、研修当日は実機が使えない状況でした。幸いにして「NCプログラム(Gコード)の意味がうろ覚え」とのことでしたので、初日の午前中は座学を中心にコンピュータ演習室にてNCプログラムの演習に取り組んで頂きました。

2次元汎用CADとNCVCによるネームプレートの製作研修

 午後からはJW_CADでデザインしたものを切削しネームプレートを製作するという基礎的な加工を体験して頂きました。データはJW_CADで作図しましたが、部品図形を使う舞鶴高専での工夫点やその他のドローソフトからもデータが生成できる点も併せて紹介しました。
 実際の加工には工事区画対象外にあるNCフライスを使用し、3名とも切削して頂きました。


2日目

NCVCを用いた2次元依頼加工

 受講者が抱える技術課題について、デモを交えながら実際にNCプログラムを生成してみました。

  • 段付け加工
    複数の切削レイヤにそれぞれZ値を割り当てる方法と、切削条件を割り当ててデータを生成する方法を紹介しました。実例としてオープンキャンパス等で配る "高専ストラップ" の大量生産方法と切り抜き加工用の治具を紹介しました。
  • 画像から切削データを生成する
    著書『いまからはじめるNC工作』で紹介しているレリーフの製作では、画像のベタ領域を線データに変換する方法を紹介していますが、微妙な線画(例として北海道大学の校章)をどのように作図していくかの方法を実演しました。具体的には、JW_CADへの画像貼り付けから円弧3点指示でのトレース等を用いて作図するテクニックを紹介しました。

3次元CAD/CAMの紹介とデモ

 Rhinoceros または SolidWorks でのモデリングから Craftmill での3次元加工データの生成デモを紹介しました。

技術懇談

 野間センター長をはじめ、教育研究支援センター技術職員11名が参加し、技術懇談という名目で北海道大学の紹介をプレゼンして頂きました。 触媒科学研究センターの川村氏からは『北海道大学の技術職員と機械工作室』、 工学系技術センター工学系ワークショップの中鉢氏からは『職場紹介とNCVCを使用した工作の一例』と題して発表を行って頂き、忌憚ない質疑応答が交わされました。


総評コメント

 舞鶴高専教育研究支援センターとして初めての取り組みであり、手探り状態の中での受入研修でありましたが、ほぼ成功裏に終わったと自負しております。あくまでもNCVCの研修が主な目的でしたが、それ以外にも今後両校の技術交流等に発展出来ればと思います。

 この受入研修は随時受け付けております。詳しくはお問い合わせページからどうぞ。他のテーマも用意しておりますし、作者自身が講師を務めるNCVCの研修も引き続き募集しています。

北海道大学 触媒化学センター 技術部ホームページのリンクは、こちら
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