第15回近畿地区国立高等専門学校技術職員研修 報告

 平成24年8月20日〜21日の2日間、和歌山工業高等専門学校で開催された「第15回近畿地区国立高等専門学校技術職員研修」に釣と古林が参加してきました。 この研修は、近畿地区国立高等専門学校の技術職員に対し、その職務遂行に必要な専門的知識を習得させると共に、相互啓発の機会を与えることにより、技術職員の資質向上を図ることを目的として開催されています。今回の研修は、技術職員の組織化後の取り組みが中心で、特別講演や各高専の取組報告が行われ、ほかに技術研修ならびに施設見学をしてきました。

特別講演

 研修の最初に「技術職員の組織化後のあり方」と題し、佐世保工業高等専門学校技術室技術長 森 晴樹氏 ならびに、松江工業高等専門学校教育支援センター技術長 福田恭司氏の特別講演がありました。 特別講演では、共に技術職員がアクティブに活動をしていることを強調していたと感じました。 通常の業務はともかく、出前授業や公開講座などの地域貢献を活発に行い、これまでの専門的な知識や技術以外に幅広い知識と技術を身に付けることも大事であると感じました。  そのためには、技術職員同士の連絡を密にすること、朝イチで一つの部屋に集まり状況報告をすることなど、連携強化がキーとなると思いました。  また、本題とは直接関係ないが、実験実習中の事故において「事故は0(ゼロ)にならない、しかし0(ゼロ)に近づける努力は必要」との言葉に感銘を受けました。



各高専の取組報告

 参加している4高専の取組報告が行われた。どの高専でも問題として挙げられているのが、予算についてで、技術職員組織に割り当てられる予算配分額が、かなりバラツキがあると感じました。 また、それぞれの高専によってモチベーションの違いも感じることができました。



技術実習研修(FPGA入門実習)

 和歌山高専電気情報工学科の実験室にて、FPGA(Field Programmable Gate Array)を使った実習(実際に5年生で行っている実習)を体験してきました。 最初はブレッドボードとロジック回路を使った基本的な回路の製作を行い、その後FPGAボードを用いて、同様の回路製作のほか、7セグLEDの動作確認などを行いました。



施設見学

 施設見学では、和歌山市内にある花王エコラボミュージアム(花王株式会社和歌山工場内)に行ってきました。 エコラボミュージアムの見学に先立ち、花王株式会社和歌山工場内の製造ラインの見学も行い、その後ミュージアムへと向かいました。 ミュージアムでは、地球環境を取り巻く様々な要素のなかで、企業としてできる二酸化炭素排出量の削減、工場から排出される水の浄化、原材料を含めた製品のエコ化などの取組みについて、小さな子供でも分かるような説明を聞くことができました。 さらに花王株式会社では、会社のエコ化だけでなく、同社商品を購入して実際に使用する消費者とともに、省エネ、エコ化に取り組む姿勢が非常に興味深く感じました。



総 評

 今回で15回目となる同研修は、技術職員組織化後の状況報告が多く、本校のように問題意識を持ち、それを解決するためにはどのような方策が必要で、現在はどのようなことに取り組んでいるかの具体例に欠けていたのが残念でした。 しかしながら、各高専とも「このままでは遺憾」との意識は持っているので、このような研修などを通じて、高専間のつながりを持つと共に、お互いの意識レベルを高めていくきっかけになると思いました。