アップデート 2010.5.6

魚の体重増加
フォン・ベルタンフィーのモデル


 tを時間変数とする。x(t)を魚の体重とする。フォン・ベルタンフィーのモデルは(1)である。
 栄養分による魚の体重増加は表面積に比例するとする。体重x(t)は体長の3乗に比例すると考えられる。だから体長は x(t)1/3に比例するであろう。魚の表面積は体長の2乗に比例するから体重x(t)の2/3乗に比例する。従って体重の増加は
dx/dt=ax(t)2/3
と表現できる。ここで比例定数aは正である。呼吸による体重のロスは体重x(t)に比例すると考えられるから、体重の増加は
dx/dt=ax(t)2/3−bx(t)   (1)
となる。ここで比例定数bは正である。


dx/dt+f(t)x(t)=g(t)x(t)n  (2)
の形の微分方程式をベルヌーイ型の微分方程式という。
y(t)=x(t)1-n         (3)
と置くことによって、線形微分方程式に変換できる。実際tに関して微分すれば
y'= (1−n)x-nx'
であるから、
x'=xny'/(1−n)
である。従ってxに関する微分方程式は、
xny'/(1−n)+f(t)x=g(t)xn
となり、
y'+(1−n)f(t)x1-n=(1−n)g(t)
と変形されるので、yに関しては
y'+(1−n)f(t)y=(1−n)g(t)   (4)
という、1階線形微分方程式になる。解の公式により
y(t)=exp(−∫ (1−n)f(t)dt){C+∫ (1−n)g(t)exp(∫ (1−n)f(t)dt)dt}
と書くことができる。定数を前に出すと
y(t)=exp(−(1−n)∫ f(t)dt){C+(1−n)∫ g(t)exp((1−n)∫ f(t)dt)dt}  (5)
となる。求める解は、
x=y1/(1−n)  (6)
となる。


今の場合
f(t)=b
g(t)=a
n=2/3
1−n=1/3
であるので、
y(t)=exp(−∫ bdt/3){C+∫ a・exp(∫ bdt/3)dt/3}
=exp(−bt/3){C+a∫ exp(bt/3)dt/3}
=exp(−bt/3){C+a・exp(bt/3)/b}
=C・exp(−bt/3)+a/b
これを、関数xについて解くと
x(t)={C・exp(−bt/3)+a/b}3  (7)
となる。


x(0)=1,h=0.2,a=4,b=2の場合の解曲線は以下のようになる。

参考 xyをExcelではpower(x,y)と書く。例えば52/3は、power(5,2/3)である。


問題1 ベルヌーイ型の微分方程式(2)はn=0のときは線形微分方程式である。厳密解を求めよ。
問題2 ベルヌーイ型の微分方程式(2)はn=1のときは変数分離型の微分方程式である。厳密解を求めよ。
問題3 解(7)でt→∞のときの飽和状態をxとするとき、xをaとbとの式で表せ。
問題4 微分方程式(1)は、b=0と置くと変数分離型になる。厳密解を求めよ。
問題5 魚の体重の変化を(1)をルンゲクッタ法で解くことにより図示せよ。x(0)>0としなければならない。但し、初期値、刻み幅、係数はwebで示された値と異なる数値を用い、報告書にはその数値を書き添えること。

参考文献:デヴィット・バージェス/モラグ・ボリー、微分方程式で数学的モデルを作ろう、日本評論社