アップデート 2009.6.8

不連続な摩擦がある場合の振動


 バネの自然状態からの伸び(あるいは縮み)をxとするとき、xが小さいときは、フック(Hooke)の法則により、伸びxに比例する復元力(弾力ともいう)が生じる。したがって、バネの先端につけられた質量mの質点にはF=kxの力が働く。この比例定数k(k>0)を弾力定数という。kは振動子のスティフネスと呼ばれる系パラメータである。例えば、空気中の振動では空気抵抗が働く。振動の速度があまり大きくないときには、空気抵抗は速度に比例する。しかし、机の上に物体をおいてあるような場合には机の面との摩擦は、
F=γ    (x'<0のとき)
F=−γ   (x'>0のとき)
となる。符号関数sgnを
u>0のとき、sgn(u)=1
u<0のとき、sgn(u)=−1
と定義すると、このとき運動方程式は
mx"+γ・sgn(x')x'+kx=0  (m>0、γ>0、k>0)
となる。mで割ると
x"+γ・sgn(x')x'/m+kx/m=0  (m>0、γ>0、k>0)
であるから、a=γ/m、b=k/m
とおくと
x"+a・sgn(x')x'+bx=0  (a>0、b>0)
となる。a=0のときは、抵抗がないときに相当し、単振動となる。


問題1 この微分方程式の解曲線を求め、相平面上に図示せよ。なお符号関数sgnはEXCELでは SIGN で表現される。また sgn(x')x' は ABS(x') と表すこともできる。
問題2 係数aの大きさと、解曲線の形の関係を調べよ。
問題3 乱流による空気抵抗を受け、減衰する調和振動子の運動方程式はx"+rasb(x')x'+ω2x=0である。解曲線を求めよ。
参考文献:村上温夫、微分方程式入門、新曜社