アップデート 2002.9.20
ロトカ_ヴォルテラの方程式
xをサメに食べられる魚の個体数とする。サメがいないとき、非常に豊富にあるプランクトンを食べる魚の成長率x'/xは一定である。そのときの方程式はマルサスの成長方程式
dx/dt=ax
になる。
魚の個体数xの成長はある大きさで止まると考える方が良い。その時はロジスティックの成長モデル
dx/dt=(a−bx)x
となる。
サメが居ると、魚はサメに食べられるので、サメの数yは、魚の個体数xを減少させるであろう。その減少率x'/xはサメの個体数yに比例すると考えると
dx/dt=(a−bx−cy)x
となる。
サメについて考えると、魚が居ない状態では、食料源がないので、サメの死亡率は出生率を上回るだろう。したがってサメの成長率y'/yは
dy/dt=−ky
となる。
魚の個体数xが増加すると、サメは食料に恵まれる。魚の個体数xに比例してサメは成長する。するとサメの成長率は
dy/dt=(−k+lx)y
となる。
まとめると記号を変更して
dx/dt=(a1+a2x+a3y)x、 (a1>0、a2<0、a3<0)
dy/dt=(b1+b2x)y、 (b1<0、b2>0)
となる。
連立方程式dx/dt=dy/dt=0を満たす点は、(0,0)、(−a1/a2,0)、(−b1/b2,(a1b2−a2b1)/(−a3b2))である。第3の平衡点はa1b2−a2b1>0であるとき、第1象限にあり、安定である。
第1の平衡点(0,0)は生物が2種とも存在しない状態である。
第2の平衡点(−a1/a2,0)はサメyが存在しない状態である。
第3の平衡点(−b1/b2,(a1b2−a2b1)/(−a3b2))が生物が共存する状態である。
第1の例
a1=2、a2=−1、a3=−1、b1=−1、b2=1のときは平衡点は(1,1)となり、最初の状態がどのようであっても、時間の経過と共に一定の値(1,1)に近づく。この値は第3の平衡点(−b1/b2,(a1b2−a2b1)/(−a3b2))である。
第2の例
a1=1、a2=−1、a3=−1、b1=−2、b2=2、時間の経過と共に、第2の平衡点(−a1/a2,0)=(1,0)に収束する。すなわち、捕食種yは絶滅してしまう。

問題1:第2の例で、捕食種(サメ)が死滅する理由を考えよ。
問題2:第2の例で、b1=−0.1と変更したときの解の挙動を考えてみよ。そのようになる理由は何か。([捕食種(サメ)が死滅する]という結論は誤りである。繰り返しの回数を多くして、観察して見よ。)
問題3:第1の例(共存)と第2の例(死滅)の違いは、どこから生じるか。係数の関係から発見することができるか。
参考文献:R.ハーバーマン著、稲垣宣生訳、生態系の微分方程式、現代数学社
参考文献:森田善久著、生物モデルのカオス、朝倉書店