アップデート 2005.5.9

年代測定の問題


 フランスにあるラスコー洞窟から検出された木炭の1950年における(毎分1gごとの)崩壊数の平均は0.97であり、生きている木の崩壊数は6.68であった。木炭が形成された年代を計算して、洞窟の中に描かれた絵の年代を求めよ。


出展:D.バージェス、M.ボリー、微分方程式で数学モデルを作ろう、日本評論社
 ラザフォードは、x(t)を時刻tにおける放射性物質の中の分子の個数とするとき、x(t)は
x'=−kx
で記述されることを示した。k>0は崩壊定数である。
問題1:初期の個数をx0=x(0)とするとき、 x(t)=x0e-ktとなることを示せ。
 kが定めると放射性物質の半減期が定まる。
問題2:半減期Tは T=(log2)/kで与えられることを示せ。
 主な放射性物質の半減期は次の通りである。
物質
半減期
キセノン133
5日
バリウム140
13日
鉛210
22年
ストロンチューム90
25年
炭素14
5568年
プリトニューム
23103年
ウラン
4.5×109
 宇宙線と大気の衝突により生み出された中性子が、大気中の窒素と結びついて炭素14を作る。生きている動植物は空気中から炭素14を取り込み、自然崩壊によって失う。この状態が過去から現在まで一定であると仮定する。崩壊率は
R(t)=−x'(t)=kx(t)
で与えられる。生きている木材に対して崩壊率(サンプル1グラムあたり1分ごとの)は6.68である。
 木材が成長を止めたとき、空気中から炭素14を取り込まなくなるので、炭素14は上記の微分方程式に従って減少する、成長を止めた木材の炭素14の含有量を求めれば、成長を止めた年代が測定できる。
問題3:炭素14の崩壊定数kを求めよ。
問題4:木炭が生成されたときの時刻をt=0としよう。そのときの炭素14の個数x0を求めよ。
問題5:崩壊率が0.97であることが分かっている1950年の時刻tを求めよ。(単位は年)
問題6:木炭ができた年代を推定せよ。
問題7:洞窟の絵はいつ描かれたか。