電子ビームリソグラフィ/酸素プラズマによるダイヤモンドモールドの作製

微細加工技術が確立されているシリコン系がNILのモールド材料として用いられているが、繰り返しの押し付けに耐えられない、熱による膨張変形などの問題点があり、現段階で高スループット、低コスト化が図られておらず、実用化までには至っていない。 本研究で作製した3次元ナノパターンダイヤモンドモールドを用いたNILによるダイヤモンドのナノ加工において、押し付けなどの問題点が克服されれば、低コスト、大量生産向け、ナノメートルオーダーの作製技術として、ナノテクノロジー分野に寄与することが大きいと思われる。大量生産のものづくりの基本は、型を利用した成形加工にあるといっても過言ではない。ものづくり日本がこれからもリードし続けるには、さらに微細で精密な加工技術を追求することが最も重要である。
モールド材料として機械的、電気的に優れた性質を持つダイヤモンドを用いることが、本研究の大きな特色の一つである。本研究では、酸素プラズマに耐性のある室温インプリント転写材料ポリシロキサン[-R2SiO-]nがモールド作製の電子ビームレジストとしても使用可能ではないかと考えた。主成分が酸化ケイ素(SiO2)であるポリシロキサンは、酸素プラズマを照射すると表面に薄い酸化膜層を形成するためエッチング耐性があると考えられる。この転写パターンをそのままマスクとしてダイヤモンド薄膜のナノパターンを形成することができる。そのため、ポリシロキサンの酸素プラズマエッチング耐性について検討し、この得られた特性(ダイヤモンドとマスクの高選択比の得られた最適加工条件)から高精度3次元ダイヤモンドモールドを作製し、その得られたモールドでナノインプリントを行い、ダイヤモンドのナノ加工を行うことが本研究の独創的な点である。モールド材料も加工物もダイヤモンドを用いているのは本研究のみである。

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