R元年度 活動報告(能勢)

令和元年度 東海・北陸地区国立高等専門学校技術職員研修会

概要

 令和元年8月28日〜30日、石川高専主管の下、同高専を会場として標記研修会が開催されました。この研修会は、技術職員対象に技術の習得や相互啓発、資質向上を目的として全国各地区で開催されており、東海・北陸地区においても開催されています。

 今年度は、初めての試みとなる近畿地区からの参加受け入れもあり、本校からは西村と能勢が参加させていただきました。

所感

講演について

 石川高専の西澤教授より、「舗装の破損とメカニズム」と題してご講演がありました。舗装の技術、歴史、工法などを多くの写真とともに紹介され、普段意識したことのない道路の舗装について多くの知見を得ることができました。舗装の強度や壊れやすさは、破損の力学と材料の力学、あるいは温度や排水などと密接に関わっていること、また、ひび割れにも多くの種類と原因があることなどを知ることができ、大変有意義な講演でした。

各高専業務紹介、特徴ある取組等について

 東海、北陸、近畿の全12国立高専から、高専や発表者の紹介、特徴のある取組などがそれぞれ8分程度で発表されました。内容は自由でしたので、高専の紹介に特化した発表や個人的な取組中心の発表、特徴のある取組の発表など、様々な発表がありました。どの高専も公開講座や地域連携に力を入れている様子が伺えましたが、一方で珍しい業務を技術職員が担当している高専などもあり、それぞれの高専の特色を感じることができました。本校の発表では、センター内組織や人事交流、公開講座、各種WG、技術職員研修、メンター制度などについて紹介することができました。12高専が参加していることもあり、時間の都合上質疑応答の時間はありませんでしたが、初日の夜に開催された情報交換会で他高専の方々と詳しくお話をすることができました。


講義および実習について

 西村はテーマIの「橋の模型作りとラーメン橋脚の応力たわみ測定」に参加しました。本テーマでは石川高専環境都市工学科の津田准教授よりご講義をいただきました。初めに橋梁の種類、補修や補強の事例をスライドで分かりやすく説明していただきました。その後、ケント紙を用いて橋梁の模型作成を行いました。模型は部材のあるなしで合計3ケースを班で作成し、どの部材がどのように橋梁を支えているかの検討を行いました。また、実験室でラーメン橋の応力たわみ測定を行い、実測値と計算値の違いやモーメント図の書き方を学びました。本校においては構造の実験は行っておりませんが、改めて勉強する良い機会となりました。


 能勢はテーマIIの「クラウドおよびIoTの体験ハンズオン講習」に参加しました。本テーマは、本校も運営協力校となっているK-SEC事業の一環として行われました。石川高専の小村准教授によるK-SECの紹介があり、講義と実習はさくらインターネット株式会社の講師の方々により進められました。クラウドサービスについての講義では、クラウドの変遷とそれぞれの時期に流行った技術の違い、現在よく使用されているコンテナ技術などについて、よく知ることができました。実機を用いた実習では、実際に「さくらのクラウド」と呼ばれるサービスを使用し、サーバの構築からDockerのセットアップ、実行や削除を一通り体験することができました。また、「さくらのIoT」サービスとArduino、LTEモジュールを利用してIoT技術の一端に触れることができ、大変有意義でした。さくらの両サービスは、インターフェースが非常に使いやすかったのが印象に残っています。今後の業務や取組に役立てたいと思います。


学内施設見学および企業見学会について

 西村は環境都市工学科の実験室を中心に、能勢は情報処理センターを中心に、学内の施設や機器を見学させていただきました。担当職員の方と情報交換や意見交換し、今後の活動の参考となりました。

 企業の見学会では澁谷工業株式会社様を訪れ、企業の概要と歴史について紹介いただき、受注生産されているボトリングシステムの構築現場を工場内にて見学させていただきました。工場内の写真は省略しますが、大きなシステムが構築されていく様子や、内製されている大きな部材は圧巻でした。


まとめ

 研修会開催の目的達成だけでなく、他分野の技術職員、とりわけ東日本の方々と交流を深めることもでき、非常に有意義な研修会でした。

 石川高専の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。