Opinion 2002








サイモン・ラトル指揮,ウィーン・フィルの”第九”を聴いている.年末に第九を聴くという習慣は日本独自のものらしい.オザワ&サイトウ・キネンの第九は,商魂が見え見えなので購入はしていない.

元日恒例のニューイヤーコンサートの指揮は2年ぶりにアーノンクールになった.2001年のニューイヤーコンサートは,期待したが平凡でつまらなかったとは,音楽評論家Y氏の評だ.しかしながら,観客と一体になって盛り上がればよいではないか.2002年のようにカメラに写った着物姿の日本人がラデツキーマーチのときに拍手のテンポがずれても.”ウィーンの学友協会大ホールで拍手をする”という感覚は,他には置き換えるものがない独特のものだ.アーノンクールのファンとして,今回も期待して待っている.
話は変わるが,京都府北部の6町合併で”京丹後市”なる市が誕生することになるようだ.どうもしっくりこない.歴史を無視している.この手の名前は,”京田辺市”だけでご勘弁願いたい.”バスに乗り遅れるな”的な発送,あまりにも程度が低い.もっとふるさとに誇りを持つべきだ.”どこの出身ですか?”と聞かれたときには,”舞鶴です”と応えることにしている.何てったって,”鶴が舞う”という優雅な名前だから.決して”京都です”とは言わない.”丹後”は暗いらしい.そんなところへ,なぜ,かにを食べに多くの人々が押し寄せるのかな.
皆さん良いお年を!!

【29 December 2002】





今朝の毎日新聞,敦賀原発ボヤの記事に”軸受け”なる記述がある.”軸受け”ではなく,”軸受”が正しい表現である.

「軸受」に携わっているものからすると,この表現はたいへん見苦しい.専門的な解説あるいは専門書(もちろん,軸受の専門家には”軸受け”なる表現は,禁じ手だから,トライボロジー以外のということになるが.)にもしばしば”軸受け”が表れている.この表現が表れると,内容がいくら秀逸でも何だか白けてしまう.「”軸受け”とは決して書いてはいかん」とは,軸受の研究を始めた頃に師匠から教わったことだ.”軸受け”に遭遇すると,この言葉をいつも思い出す.
【14 December 2002】






舞鶴は京都府にあるのだが,福井県と接している.大学時代,「舞鶴って福井県ですか?」と聞かれて唖然としたことが何度かある.隣は原発で有名な高浜町,最も近い市はというとここ1ヶ月で有名になった小浜市がある.

先日,目と鼻の先にある高浜町に入ることがあってきれいな海を眺めていた.そばに何かの看板が立っていて,下に福井県小浜警察署と書いてあったが,北朝鮮による拉致現場が近いことを実感した.舞鶴は先の大戦時に要塞(旧海軍舞鶴鎮守府)が置かれたくらいであるから複雑な入り江がある.このため,被害を受けなかったものと考えられるが,危険があることに変わりはない.
ところで,拉致問題に関していろいろ議論されているが,情報公開の時代,特に今,過去の植民地時代の強制連行等の事実を教育の現場で正確に教える必要があるのではないか.遙か昔のことだが,習った記憶はない.まず,そこから始めなければ,****人の強制連行に比べれば,・・・・・・という言い分には,100%の反論はできないだろう.

【20 November 2002】







ノーベル化学賞の受賞が決まった島津製作所の田中耕一氏が母校の東北大学の客員教授になることが決まった.

まさか東北大学工学部電気工学科で新聞に載るまで田中氏の名前を知らないという人はいなかったんでしょうね? 受賞決定の日は,偶然にも仙台にいたので,東北大学工学部に詣でておけばと後悔している.受賞決定から,まわりの手のひらを返したような一連の対応が興味深い.世の中,どうも肩書きでしか人間を判断できない人が多い.そういう意味で,今回の田中氏の受賞とまわりのあわてぶりに心がスカッとした人も多かったのではないかと思うのだ.ところで,客員教授になることを引き受けたのは,田中氏の上司であり,田中氏は研究だけを純粋にやっていたいと考えているに違いない.
【23 October 2002】





祝 F1第17戦日本グランプリで佐藤琢磨(ジョーダン・ホンダ)が5位入賞 !!

土曜日午前のフリー走行の順位が8位だったので期待していたが,やってくれた. 気合いが空回りせず,結果に結びついたことに,心から賛辞を送りたい.多くのファンに力を与えたのではないか.テレビではあるが,久々に鈴鹿のスタンドの盛り上がりを見た.
【15 October 2002】





F1日本グランプリ,今日の午前中のフリー走行2回目で佐藤琢磨が8位,1' 34. 657 !!

昨年の英国F3チャンピオンもF1の洗礼を受けたデビューシーズンだったが,最後に意地を見せた.予選と明日の決勝に期待したい.今年は快晴のグランプリで素晴らしい.しかしながら,鈴鹿にいないのが悔しい.
【12 October 2002】





今年もF1日本グランプリが近づいてきた.鈴鹿で開催されるのは,1987年以来,もう16回目となる.

セナ&プロストのチャンピオン争いに一喜一憂していたことが,はるか昔の出来事のように感じられる.”今年はフェラーリが強すぎておもしろくない”と自称F1ファンの間ではささやかれているようだ.しかしながら,サーキットへ足を運ぶのは,あのサウンドを聴くためであるので,当方には何の問題もない.レースの状況などは,最も面白くないグランドスタンド中央席に陣取っていれば,親切なモニターが設置されているので手に取るようにわかるが,はたしてモニターを見るために高いお金を払う価値があるのか,甚だ疑問である.たとえば,スプーンカーブの豪快なコーナリング,裏のストレートの最高速,ヘアピンからの全開加速,等を肌で感じるためにサーキットに行くのだ.ここで一つ提案だが,エンジンはV12以外は禁止としたらどうだろう.V12サウンドを聴いたことがない最近のF1ファンには,新たな発見があることは間違いない.
ところで,あの音を年に1回は聞かないとどうも調子が悪い.今年は鈴鹿であの音に浸っていたいが・・・.

【4 October 2002】





つい先日,小澤征爾氏の母が亡くなった.

小さい頃から征爾氏に賛美歌を聴かせて音楽感を養ったようだ.この母にしてこの子あり.人間形成には,父よりも母の影響力が強いとの感がある.この母がなければ,世界のオザワはなかったことになる.いよいよ”ウィーン ”の季節だ.
【27 September 2002】





最近,京都市内では昼間にヘッドライトを点灯して走るタクシーを見かけることが多くなった.

観察していると,どうも特定の業者だけではなさそうだ.昼間にヘッドライトを使うことが交通安全の観点から有用であることはヨーロッパでは周知のことだが,”自動車文化後進国”の日本でも,ようやくそれがほんの少しだけわかったのかという感がある.ヘッドライトは,昼夜を問わず,相手に自分の存在をわからせるためのものであることを一般に知らせる必要がある.しかしながら,免許更新の講習会等で,この話を耳にしたことは一度もない.
【11 August 2002】





今年も8月になってしまった.

こういうときは,ヨーロッパの町中にある広場のカフェに座って,教会の尖塔を眺めながら,ビールを一杯というのが理想なのだが,なかなか実現しない.忙しすぎて,摩擦で散逸する熱が多すぎる.からっとしたヨーロッパの夏がなつかしい.
【1 August 2002】





ワールドカップがブラジルの優勝で幕を閉じて約1週間.”銀河高原ビールが破綻”なる記事が飛び込んできた.

銀河高原ビールは全国最大の地ビールメーカーであり,本場のドイツビールに近いビールを生産しているだけに複雑な思いがある.しかしながら,発泡酒全盛の昨今,”本物”がわからない国民性のもとでは仕方ないと思う.新会社が経営を引き継ぐとのことなので一安心.”悪酒は良酒を駆逐する”ということだが,企業である以上,”売れなければ”ということでもある.良いものは買って残さなければ.競争させて,良いものが残るとは限らない.
【6 July 2002】




昨晩,日本のワールドカップ初戦,ベルギー戦が終わった.

2−2の引き分けで,勝ち点1を獲得したのは見事.ベルギーに格好良すぎるオーバーヘッドを決められて,通常なら完封負けというところ.世界の”ナカタ”の存在が大きい.これで,自称サッカー評論家は静かになるだろう.一時は逆転し,あわやと思わせたが,そんなに甘くはない.一方で,この盛り上がりに水を差しているのが,スタンドに目立つ空席だ.
【5 June 2002】






待望のワールドカップが5月31日に開幕した.

本場の迫力が韓国と日本に押し掛けてくる.F1も生で見ないとその魅力はわからないが,サッカーも同じだろう.会場へ行って観戦したいという気持ち,痛いほどわかる.小泉首相もソウルでの開会式に出席してご満悦のようだが,目先のことしか考えていないのが見え見えだ.韓国では,学校が休みになるという.サッカーを文化として定着させる,将来を担う子供にその重要性を訴える,そもそも次元が違うようだ.8年前,オランダではケーキのクリームまでがオレンジ色になったが,今回,強豪オランダが出ていないのが誠に残念.昨日のサウジアラビア戦,”D”の強さは圧巻.
【2 June 2002】






第60期将棋名人戦は,挑戦者の森内俊之八段が4連勝で丸山忠久名人から名人位を奪取した.

A級昇級以来,毎年勝ち越して実力は自他共に認めながら,タイトルに縁がなく,”無冠の帝王”の異名をとった森内八段.ちょうど10年前,F1でナイジェル・マンセルが今は亡きアイルトン・セナを破って悲願のワールドチャンピオンに輝いたことを思い出した.この9年間,米長邦雄,羽生善治,谷川浩司,佐藤康光,丸山忠久と名人が代わった.1993年に4連勝で米長九段が中原名人からタイトルを奪取したことは記憶に新しいが,1993年秋から約1年,日本から脱出していたため,新聞で米長邦雄名人の肩書きを見たことはない.なぜなら,1994年には,羽生善治名人が誕生していたからだ.名人の肩書きは,人をつくる.昨晩の新名人誕生のインタビューで”鉄板流”に代えていい名前をつけてくださいと照れていた森内だが,今期の名人戦は丸山が簡単に土俵を割ったように見えた.それだけ森内が充実していたともいえるだろう.来期の名人戦はひとまわり大きくなった森内に期待しよう.第4局,立会人の原田泰夫九段,”三手の読み”,”達筆”で有名だが,”原田節”も健在だ.20数年前に”飛車落ち”で一局教わった.当方攻めに攻めたのだが,一歩及ばないなという感じだった.プロの懐の深さを実感したことを思い出す.丸山にとっては”頓死”があったりして,不出来な名人戦だったが,このまま引き下がる”まるちゃん”ではない.より強くなっての出直しを期待したい.
【18 May 2002】






”ダメ虎”転じて,”猛虎”! 昨晩は,甲子園で宿敵巨人に10−2と快勝して,引き分けをはさんだ連敗を3で止めた.

阪神ファンには,年に数回しかないという至福の夜(爆勝)だ.スタンドにたなびく”狂虎会”の旗も誇らしげに見えた.例年の阪神なら,ここからずるずると10連敗というところ.何かが違う.もちろん,開幕から首位というのも異常だ.KBS京都放送では,ゲストの月亭八方が早々と”優勝宣言”.これは,気が早すぎるとしても,優勝したら御礼の気持ちを込めて阪神電車の梅田〜甲子園間のトイレ掃除をするという.ぜひ実現してもらいたい.
【21 April 2002】





中原誠永世十段がフリークラスへ転出したとのニュースが,昨日飛び込んできた.

”前期の順位戦の成績,また理事の仕事とのバランスなどを考慮してフリークラスへの転出を決断しました,”とのことだが,これなら1年前に決断しておけばよかったと考える.男の引き際の難しさを改めて感じた.これで,米長邦雄永世棋聖に続いて,名人経験者で2人目のフリークラス棋士の誕生となった.しかしながら,名人15期の大名人がフリークラス転出とは,横綱が”負けるとみっともないから,巡業しか参加しませんよ”というのと同じだから,誠に残念ではある.もちろん,もう”中原誠名人”が誕生することはない.
【3 April 2002】






阪神が開幕戦12年ぶりの勝利(対巨人,3−1).

それだけ勝てなかったのかと妙に感心した.試合後の星野仙一監督のインタビュー,なぜか小泉首相と言いまわしがだぶって見えた.期待はしていないが,特別な勝利といえる.本物かどうか,しばらくすれば,野球の方は答が出る.
【31 March 2002】






米長邦雄永世棋聖のページの放談室に,現在,”・・・・・ お通夜と妻の誕生日が重なってしまう.私はまず供花を手配.次に妻に一言.「男の友情は妻への愛情に勝る」「ハイ」
電子化がどのように進められても,弔電をメールでうち,香典を電子マネーで送る世の中にはなりません.大切なのはアナログの心です.”という一節がある.

”アナログの心”,今後ますます重要性を増してくるキーワードになることは間違いない.
【30 January 2002】






2002ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート(小澤征爾指揮)のCDが19日に発売された.

7日に発売されたオーストリアでも人気沸騰とのこと.19日偶然購入することになったが,夕刻のニュースはOzawaのCDが今日(19日)に発売になっていたことを告げていた.国内版と輸入盤があり,曲目が少し違う.また,ニューイヤーコンサートで初めて演奏された曲(悪魔の踊り,エリーゼポルカ)もある.
【21 January 2002】






元日恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは,小澤征爾氏が指揮した.Seiji Ozawa の指揮するワルツ&ポルカは素晴らしいの一言.

マゼール,カラヤン,メータ等の歴史に名を残す巨匠が立った指揮台に日本人が立つという歴史的な快挙. ウィーン学友協会 大ホールは,そこに身を置くだけでも感激するが,今年は小澤氏の指揮ということで,ウィーンには日本人が殺到したとのこと.可能ならば,生でニューイヤーコンサートの感激を味わってみたい.
【4 January 2002】









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