H29年度 活動報告(西村)

平成29年度 京都大学技術職員研修(第4専門技術群:生物・生態系)

 京都大学大学院農学研究科附属農場で開催された京都大学技術職員研修(第4専門技術群:生物・生態系)に参加しました。大学院農学研究科附属農場は、平成28年4月から大阪府高槻市より移転した新しい農場で、移転に伴い新たな機材、施設が多く導入されました。

 午前に行われた農場内見学では、果樹園を初め、水田、花卉園、蔬菜園などを見学しました。ブドウやナシなどの栽培では光センサー選果機により高精度な品質保証を行い、バラなどは複合環境制御温室で周年栽培を行い、トリジェネレーションシステムも導入していました。広大な土地を利用し、多くの作物などを管理されているのはとても大変なことだと感じました。

 午後には講義及び実習が行われました。講義では「ヒトはツチとクウキで生きている」という題目で農学研究科応用生命科学専攻植物栄養学研究室の間藤徹教授よりお話しがありました。教授が研究されている堆肥と絡めながら作物にはどのような栄養素が必要であるのか、必要とする栄養素は人とどのように違うのかなどとても興味あるお話を伺うことができました。

 実習では渋柿の脱渋を行いました。今回はアルコールを使用する方法と、ドライアイスを使用する方法を行いましたが、うまく脱渋できているかは後日の楽しみとなりました。

 今回の研修では普段では見られないものを多く見ることができました。農耕機械の管理棟や工具室などは、本校でも生かせる部分もありました。また、他分野ではありますが、多くの方と交流を深め、意見交換をすることもできたので、今後も引き続き研修には参加できればと思いました。


平成29年度 西日本地域高等専門学校技術職員特別研修会(建設・環境系)

概要

 平成29年8月28日〜30日にかけて豊橋技術科学大学で開催された平成29年度西日本地域高等専門学校技術職員特別研修会(主催:独立行政法人国立高等専門学校機構、担当校:弓削商船高等専門学校)に参加しました。この研修は高等専門学校の技術職員に対して、その職務の遂行に必要な高度で専門的な知識を修得させ、技術職員の資質の向上を図ることを目的としています。

 本年度の研修は建設・環境系の技術職員を対象とし、特別講演、班別討議、講義、施設見学、技術課題の発表および討議といった内容の研修でした。

講演・講義について

 豊橋技科大の大西学長からは「建設・環境をめぐる課題と科学技術研究への期待」というタイトルで講演がありました。現在の豊橋技科大の説明や取組みの紹介や、大西学長がこれまでに携わってこられたプロジェクトの話をはじめ、これからの環境問題や減災に関する話など非常に勉強になりました。

 弓削高専の井瀬校長からはアクティブラーニングや、主体的学習についてのお話しがありました。なかでも「なってほしい人には自分から」というお言葉はとても心に響き、今後の技術教育への取組み方を変えていかなければと考えさせられました。

 講義では豊橋技科大の斎藤教授より地震に対する建物の耐震安全性のお話し、弓削高専の高木教授と伊藤准教授より地域と連携した弓削高専の取組みのお話しがあり、どちらもとても興味深い内容でした。

班別討議について

 班別討議では豊橋技科大の技術職員の方々も参加し、2班に分かれ討議を行いました。テーマは事前に知らされていた「修学支援の必要な学生への対応について」でした。

 サブテーマを決定し、ポストイットにサブテーマに関わる事項を書き出し、議論を行いました。

 とても難しいテーマということもあり、私の班ではどの意見も正解でも不正解でもないという意見が多く出されました。そんななかで、技術職員としてどうあるべきか、どういった対応をしてほしいのかをサブテーマに意見をまとめ発表を行いました。

 今回の班別討議において、多くの方の意見を聞くことができ、今後本校において発達障害の学生に何ができるのか、どういった対応、対策をすればいいのかを学ぶ良い機会となりました。

施設見学について

 学内の施設見学では建設系の実験室および、建築系の研究室、3月にリニューアルオープンした図書館を見学しました。どこも高専とは比べ物にならないようなものばかりで、驚きと感銘を受けてばかりでした。特に図書館はリニューアル前に比べて利用数が2倍以上になったようで、実際レイアウトや本棚の高さなどいろいろな工夫がされていていました。

 学外の施設見学では花王の豊橋工場の生産ラインの一部を見学しました。花王は多くの予算を商品の研究に使用していることを知りました。また、安全面や健康管理の話も聞くことができました。

技術課題の発表および討議について

 発表では研究、教育、自己研鑽・活動報告など多くの取組みについて聞くことができました。私は公開講座に関する発表を行いましたが、質疑の時間などを通じ、貴重な意見を頂き、情報交換を行うことができました。

まとめ

 本研修会において、他高専の研究や活動を知ることができました。高専には建設・環境系の学科が少ないですが、そんななかで協力し、情報交換をしていくことで、よりよい教育、研究が行っていけるのではないかと思います。今後、この研修会で得られたことを業務に生かしていければと思います。