H27年度 活動報告(能勢)

平成27年度 西日本地域高等専門学校技術職員特別研修会(情報系)

概要

 平成27年8月19日〜21日、豊橋技術科学大学において、標記研修会が開催されました。高専機構では、職務遂行に必要な知識の修得と資質の向上を目的とした、技術職員対象の特別研修会が毎年開催されています。沼津高専担当の下開催された今年度の研修会は情報系で、本校からは古林と能勢が出席しました。

 特別講演、班別討議、講義、施設見学、技術課題の発表および討議といった研修で構成され、班別討議では古林が、技術課題の発表では能勢が口頭発表を行いました。


所感

講演・講義について

 豊橋技科大の井上理事からは、技科大の概要とホログラムメモリについての講演がありました。現在取り組まれている国立大学改革強化推進事業では、世界で活躍する実践的技術者の育成を進められており、高専機構も連携していることから今後も注目したいと感じました。また、ホログラムメモリという大容量記憶媒体があることを知り、非常に勉強になりました。

 沼津高専の藤本校長からは、ご自身が取り組まれた商品化の事例を紹介しながら、調査・開発・生産・販売といったいわゆる横の専門分野についてのお話がありました。技術職員に期待されることについてもお話があり、少しでもこれに応えられるよう業務に取り組みたいと感じました。

 講義としては、豊橋技科大の福村准教授からヒトの運動制御メカニズムの計測・解析技術についてお話しがありました。文字を書く際の運動原理の解析や、手話翻訳システムへの応用などのお話は興味深いものでした。

班別討議について

 豊橋技科大技術職員の方々も参加し、1班6〜7名の計6班に分かれてそれぞれグループ討議を行いました。能勢が所属したE班では「災害発生時における対応について」のテーマで、震災や火災の発生前、発生時、発生後に何をすべきかを話し合いました。

 班内でのまとめ、発表資料作成、発表者による発表、質疑応答、という流れで進められ、D班では「学生個人のケイタイ・スマホ利用に関する問題点と対策について」のテーマで、古林が資料作成および発表を行いました。

 どのテーマについても明確な回答というのはなかなか出にくいものですが、他のテーマの発表も聞いた上で感じたことは、構成図や対応手順などのマニュアル化と日々の訓練が重要、ということです。

施設見学について

 技科大構内のエレクトロニクス先端融合研究所とベンチャー・ビジネス・ラボラトリーを見学させていただきました。いわゆるLSI工場としての機能が備えられており、無塵衣に着替えてのクリーンルームの見学は印象深く、また、専門の機器を扱う技術職員の方の高度な技術にも感心させられました。

技術課題の発表および討議について

 「シングルボードコンピュータを利用した情報科学センター運用環境改善の一例」と題し、Raspberry Piという小型コンピュータで温度ロガーを作成しサーバルームの温度監視をしている、という内容で能勢が口頭発表を行いました。ここ数年Raspberry Piを代表とする小型コンピュータやArduinoなどのマイコンが流行しており、本発表も目新しい取り組みではないのですが、活用の一例を紹介することができ、討議時間では意見交換もすることができました。

 とある高専からは、マイコン系、サーバ系など得意分野が異なる技術職員複数名でデータ収集・開示システムを構築したという発表がありました。複数名で取り組まれた故、職員のスキルに差があり、集合型の学習会、個別学習、役割分担と進められた点が印象的で、共同作業時の参考となるものでした。

 教育システムや基幹システム更新についての発表も多く、次期更新時の参考としたいと思います。また、どの職員の方も、業務改善や自己研鑽、研究等に積極的に取り組んでおられ、多くの刺激を受けることができました。

まとめ

 これらの経験を生かせるよう、意識しながら日常業務や自己研鑽に取り組んでいきたいと思います。また、どの研修でも言えることですが、知識の修得と資質の向上だけでなく、西日本地域高専の技術職員のみなさんと交流を深めることができ、機構内とは言え人脈が広がったのも非常に有意義でした。