システム制御情報学会 学会誌 「システム/制御/情報」 55 巻 5 号,2011 年
[4] ランダマイズドアルゴリズムによるロバスト制御系解析・設計(和田・藤崎)
ex1_sys.m, ex1_stability.m
線形システム
において,不確かなパラメータが
のいずれかの値をとるものとする.また,性能レベルを
としたとき,確率
の推定値 を求める,確率的性能検証問題を考える.
この問題を解くため,確率レベル を与え,
を満足する最小のサンプル数 とランダム抽出された に対し,
を計算する.このとき,
が成立する確率が より高いことを保証することができる.ただし,
は判別関数である.
としたときの実行結果を以下に示す.この結果からわかるように,不確かさの要素の約
80 % 程度に対して安定であることを,信頼度 99.9 % で推定できたことが確認できる.
実行結果 (注意:実行ごとに結果は異なるので,解説記事の結果と異なる) |
>> ep = 0.02; del = 0.001; N = ceil(1/(2*ep^2)*log(2/del))
N =
9502
>> p_est = perfver(@ex1_sys, @ex1_stability, ep, del) % 1 回目の実行
Number of samples by Chernoff bound is: 9502
With probability 0.999, |p - 0.79162| <= 0.02
p_est =
0.7916
>> p_est = perfver(@ex1_sys, @ex1_stability, ep, del) % 2 回目の実行
Number of samples by Chernoff bound is: 9502
With probability 0.999, |p - 0.79762| <= 0.02
p_est =
0.8019
の特性多項式は
であるから,固有値 の実部がすべて零となるための必要十分条件は,
を満足することである.これを図示すると,下図の紫色の領域となり,これが安定な領域である.
この安定な領域の面積 は,
>> syms d1;
>> S = int(1/(1-d1),-1,0) + int(1-d1,0,1) + 2
S =
log(2) + 5/2
と求まるので,安定となる確率の真値 (全体の面積 4 に対する安定な領域の面積 の割合)は,
>> p = S/4
p =
log(2)/4 + 5/8
>> double(p)
ans =
0.7983
である.
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