ex1_sys.mex1_stability.m

 線形システム
  
において,不確かなパラメータが
  
のいずれかの値をとるものとする.また,性能レベルを
  
としたとき,確率
  
の推定値 を求める,確率的性能検証問題を考える.
 この問題を解くため,確率レベル を与え,
  
を満足する最小のサンプル数 とランダム抽出された に対し,
  
を計算する.このとき,
  
が成立する確率が より高いことを保証することができる.ただし,
  
は判別関数である.
  としたときの実行結果を以下に示す.この結果からわかるように,不確かさの要素の約 80 % 程度に対して安定であることを,信頼度 99.9 % で推定できたことが確認できる.

実行結果 (注意:実行ごとに結果は異なるので,解説記事の結果と異なる)

>> ep = 0.02; del = 0.001; N = ceil(1/(2*ep^2)*log(2/del))

N =
        9502

>> p_est = perfver(@ex1_sys, @ex1_stability, ep, del)    % 1 回目の実行

Number of samples by Chernoff bound is: 9502
With probability 0.999,  |p - 0.79162| <= 0.02

p_est =
    0.7916

>> p_est = perfver(@ex1_sys, @ex1_stability, ep, del)    % 2 回目の実行

Number of samples by Chernoff bound is: 9502
With probability 0.999,  |p - 0.79762| <= 0.02

p_est =
    0.8019
    
 なお,この例の場合,安定な領域の面積を求めることで,真値 を求めることができる.
  の特性多項式は
  
であるから,固有値 の実部がすべて零となるための必要十分条件は,
  
を満足することである.これを図示すると,下図の紫色の領域となり,これが安定な領域である.


この安定な領域の面積 は,

>> syms d1;

>> S = int(1/(1-d1),-1,0) + int(1-d1,0,1) + 2

S =
log(2) + 5/2
    
のように
  
と求まるので,安定となる確率の真値 (全体の面積 4 に対する安定な領域の面積 の割合)は,

>> p = S/4

p =
log(2)/4 + 5/8

>> double(p)

ans =
    0.7983

より
  
である.
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