Opinion 2003







今日は御用納めだ.カレンダーの関係で年末年始の休みが長い.

アメリカで狂牛病が発覚して数日経ったが,日本で狂牛病が発覚したときは,大騒ぎになった.業者も対応が早いから,”国産牛”,”和牛”あるいは”オーストラリア産”のシールが量産されていることだろう.もともとハンバーガーには興味がなく,”昼食はマクドナルド”なる発想は皆無であり,魚の方が好きだ.
皆さん良いお年を!!
【26 December 2003】





今日は米長邦雄永世棋聖の現役最後の対局がある(王将戦リーグ最終局,郷田真隆九段戦).

羽織袴の米長九段(”名誉教授”のような肩書きよりこちらのほうがふさわしい),気合いが入っているはずだ.対戦相手は,中原誠永世十段,あるいは加藤一二三九段あたりが最適だったが・・・・・.名棋士の引退で,一つの時代が去ったということだろう.数々の名局に感謝.
【12 December 2003】





第16期竜王戦は挑戦者の森内俊之九段が4−0で羽生善治竜王を下して初の竜王位を獲得した.

今春の第61期名人戦では羽生善治竜王に4−0でいいところなく敗れ去って将棋ファンを失望させているだけに,同スコアでの雪辱は見事.羽生善治名人のタイトル戦でのストレート負けは記憶にない.「やられたらやり返す」.勝負はこうでなくては面白くない.森内新竜王に心から敬意を表したい.
【28 November 2003】





クリスマスが近づいてくると,オランダを思い出す.

11月にもなれば,町中は質素ではあるが,味わい深い飾り,イルミネーションで彩られる.さらに,12月になると,オランダではサンタクロース(シント・ニクラース)の行進があちこちの町で行われる.小学校の校長先生が”サンタ”になっていたりするのだが,行進の予定が事前に知らされているため,観光客共々辛抱強く待っている.サンタが来たときのあの感激は何だ.みんなの顔にはうれしさがあふれている.「何もお金を使うばかりがいいとは限らないよ.」とでも言っているような,成熟した大人のクリスマスがここにはある.
【25 November 2003】





日本テレビの視聴率の操作事件は氷山の一角であろう.

企業での不祥事が運悪く”ばれれば”,トップが頭を下げて,”関係者の処分”という猿芝居が行われればそれでいいのかと毎度のことだが思ってしまう.「会社は一切関与していない.」というコメントも白々しい.当然のことだが,視聴率が高い番組が良い番組とは限らない.見たくもないくだらないコマーシャルを見せられるのは,もううんざりだ.NHKの貴重さを今一度見直したい.話は変わるが,カーグラフィック12月号,小林彰太郎氏(カーグラフィック初代編集長,『CG』編集顧問)のコラム,「F1の録画中継は,対象がGPというだけでタレントのお笑い番組と変わらない.」.視聴率を稼ぐためだけの番組製作,これがいい例である.
【18 November 2003】






衆議院選挙,自民伸びず,民主躍進!

このあたりで,これまで小泉政権の公約がどの程度実行されてきたか,達成度を評価しておく必要があるだろう.選挙当日の朝刊にも小泉首相の顔が写った一面の広告が掲載されていたが,何一つ具体的なことが書かれていないのだ.首相続投とのことだが,単独過半数を取れなかったから惨敗ではないのか.ところで,”国民のために奉仕する”ことを忘れた偉いセンセイ方も多数落選されたようだ.毎度のことだが,”センセイ”も落選すれば”ただの人”を実感する.
【10 November 2003】






2003年10月27日,ダイエー,4勝3敗で日本一!

王貞治監督おめでとう.阪神ファンにとっては誠に残念.しかしながら,至福の1年でもあった.星野仙一監督,ありがとう,そして,お疲れさん.甲子園での3連勝,最高だったよ.実は,ここで燃え尽きていたんだな.”男の引き際”も見事の一言.
【28 October 2003】







祝 佐藤琢磨,F1日本グランプリ参戦!

今朝の新聞に「BARホンダは今週末日本GPが行われる鈴鹿サーキットで会見を行い、ジャック・ビルヌーブが今年の日本GPには出場しないことを発表.佐藤琢磨が代わってステアリングを握ることとなった.」との報.元チャンピオンのビルヌーブ(とはいっても,”名ばかり”に見える)が,ただ走っているだけでは,何の意味もない.なぜ,もっと早く身を引かなかったのかとの気持ちが強い.しかしながら,突然とはいえ,ホンダのステアリングを握ることになった佐藤琢磨,地元で熱い走りを見せてほしい.先日,来年からのF1復帰を発表していたが,1戦早い復帰となった.鈴鹿で待っているファンには,最高のプレゼントになったはずだ.
【10 October 2003】





南フランス,イタリア,日本人憧れの”ヨーロッパ”だ.

この夏,南イタリアのソレントを訪れた.近くのナポリとは対極にある治安のよい町であり,夜中まで観光客があふれていた.断崖の上に町があり,その3次元構造を理解するのにしばらく時間を要した.ピッツァをはじめ,当然のことながら食べ物もうまい.「レモン」がこの町の名物である.レモンのリキュール「リモンチェロ」は買ったのだが,肝心のレモンを買いそびれてしまった.滞在があまりにも短すぎ,夢から覚めた.次回は仕事抜きで訪れたい.

マリーナ・グランデからの眺め南イタリアのトマトソレント名物「リモンチェロ」


【4 October 2003】






2003年9月15日,祝! 阪神タイガース優勝!!!

星野仙一監督ありがとう,田淵幸一コーチおめでとう,選手ならびに関係者おめでとう,阪神タイガースファンおめでとう.
【16 September 2003】






ヱビスの黒ビールがいい.

今春の発売で”売り切れた”のが功を奏したのかどうか,”ビール”で唯一善戦しているようだ.これまでの国産黒ビールはただ甘いだけで飲む気がしなかったが,ヱビスはいける.味はギネスを輸入販売しているのがサッポロビールであるためかどうかわからないが,ギネスに似ているように感じた.自称”先進国”日本で,先進国アメリカで起こったような大停電が起こったらどうなるんだろう,と考えながら飲めば,さらにうまい黒ビールになるのではないか.
【17 August 2003】






先日,トロッコ亀岡からトロッコ嵯峨まで嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に乗った.

亀岡側からの始発に乗ろうと人影がまばらで何もないトロッコ亀岡駅前で待っていると,観光バスが何台もやって来た.しかし,バスから降りてくる人々は何か雰囲気が違う.話す言葉は中国語であった.しばらくして駅のゲートが開いたので上へ上った.ほとんどが中国人観光客で,こちらが中国語圏のどこかの観光地に行っているような錯覚にとらわれた.(典型的な日本人のように)写真を撮りまくっていた.列車が入ってくる少し前には,まず,中国語のアナウンスが入ったが,これには恐れ入った.春先の天橋立での新型肺炎騒ぎも,おそらく,こういった状況の中でたまたま起こったことではないかとふと思った.トロッコ列車が入ってきた.車掌氏が早速乗り込もうとした人々に向かって日本語で確か「もう少し待ってください」と話しかけていたが,無駄なようだった.この場面では最低限,英語だろう.と考えていると,列車が発車した.昔の山陰線の亀岡〜保津峡〜嵯峨間のなつかしい記憶が蘇った.嵐山では,オルゴール博物館を訪れた.オルゴールの音,丁寧な解説は,文句なく素晴らしいものであったが,当方を感激させたのは,ストリートオルガン(の模型)であった.10年前,オランダで聴いたあの”音”が蘇った.これは”一聴”の価値がある.
【5 August 2003】






今日は祇園祭のクライマックス,”山鉾巡行”がある.

今年は鉾建ての日(12日)の朝,京都に寄る機会があったので,長刀鉾の前で職人の技に感心しながら眺めていた.小雨が降っていたが,夕刻には,近くの函谷鉾,鶏鉾とともに立派な”動く美術館”が完成し,何とも言えぬ雰囲気を醸し出していた.何回見てもいいものだ.しかしながら,宵山の人出にはうんざりしたこともある.早朝に静かに鉾を眺め,日本の伝統文化に浸ることをお薦めしたい.
【17 July 2003】






無限が脱税容疑で捜索されている.ご存じない方のために説明すると,「無限」は本田宗一郎氏の子息,博俊氏ほかが設立し,おもにレース用エンジンを製作している会社だ.F1モナコGPでも優勝実績がある.

元”無限ファン”としては誠に残念.本田宗一郎氏が生きていたら何と言うだろう.ところで,えびは江戸前のものが一番うまいらしい.なぜかというと,ある程度海水が汚れていないとえさであるプランクトンが成長しないのが理由のようだ.水清くしてえび育たず.人生は奥が深く難解だ.
【1 July 2003】








先般,”健康増進法”なる法律が施行されたとかで,「禁煙」のところが増えているようだ.

甲子園の外野席にも「スタンド内禁煙」の看板が目立っている.これは煙の嫌いな者にとっては非常に有り難いことではあるが,世界に名だたる「喫煙天国」,煙を吸わされなくなる平和はまだまだ先と見る.たとえば,「禁煙」の鮨屋,あるいは”Cafe”があれば,入り浸るのが夢だ.いったい煙を吸いに来ているのか,鮨を食べに(あるいは珈琲を飲みに)来ているのかわからない御仁が多すぎる.店の本音は,”禁煙にすると客が減る.煙で鼻が麻痺しているから,味はわからない.”であると思われるが,灰皿で勝負せずに味で勝負してほしい.あと,下品な香水(まあ,上品な香水にはめったにお目にかかれないが・・・・・・・)も禁止してほしい.これは,もう,暴力に等しい.
【8 June 2003】






F1第7戦モナコGPは,モントーヤ(ウィリアムズBMW)が制した.

ウィリアムズチームとしては実に20年ぶりの勝利.チームオーナーのフランク・ウィリアムズにとっては,待ち望んだ勝利だったに違いない.何と言っても,11年前の1992年,最強マシン&マンセルでも勝てなかったのだから.モナコは強いだけでは勝てないことを実感する.”運”が必要なのだ.シューマッハー(フェラーリ)が勝てなかったのはBSタイヤのせいだと言われているが,それだけではない.ところで,カメラアングルは,トンネル出口からヌーベルシケインまでを上から捉えたりしてなかなかよかった(ここも実はかなりの下りになっている).1コーナーからカジノ前までの急勾配,これはモナコに行かないと(テレビでは)実感できない.話は変わるが,(多くのファンが感じているのと同様に)フジテレビの解説とくだらない芸能人は何とかしてほしい.二重音声にして,1つはエキゾーストノートだけにする.あとは順位,ファーステストラップの表示だけで十分だ.
【3 June 2003】






第61期名人戦は,挑戦者の羽生善治竜王が森内俊之名人を4−0で押し切り,久々の名人位に返り咲いた.

心情的には森内名人を応援していたのだが,ストレート負けはいかにも残念.しかしながら,羽生新名人には,心から敬意を表したい.好きな言葉は「運命は勇者に微笑む」とのこと.天才には,似合いすぎている.
【22 May 2003】






米長邦雄永世棋聖が引退を発表した.

10年前の名人戦,7度目の挑戦で宿敵中原誠名人(当時)から,4−0で名人位を奪取したときは,惚れ惚れするような指し回しで将棋ファンをうならせ,中年の星となっていた.世が世であれば,しばらく米長時代が続いたはずだったが,米長の不運は翌年の挑戦者が天才・羽生善治だったことだ.羽生に名人位を奪取された時点で燃え尽きていたと思われる.今思えば,A級から陥落した時点で引退を表明していれば,”泥沼流・米長”にふさわしかったであろう.中原・米長の黄金時代を経験した身としては,森内・羽生の名人戦を見て,時代の変遷を感じざるを得ない.「人間における勝負の研究」等の著書を大いに参考にさせていただいた.お疲れさまでした.
【18 April 2003】






久々に(価格設定がかなり高く,内容もいまいちなので,気が進まなかったが)とんかつの**源に行った.マニュアル通りにメニューの確認が行われ,ごはん,きゃべつ,豚汁のおかわりもできる(もちろん,これも価格に上乗せされているのは当然だが).とんかつ以外を注文したが,味付けは甘く,何だか居心地が悪かった.やはり,おやじが1人でとんかつを揚げている**政の方がいい.もちろん,とんかつが”うまい”のは言うまでもない.

ふと,これは,ほとんど使わない余計なおもちゃ(たとえば,電動リモコンミラーは,何回使うというのだ.)が何でもついている日本車と,基本性能,デザイン等の個性で勝負するヨーロッパ車との違いと同じではないかと思った.余計なおもちゃがついていると喜んでいるが,しっかり価格に含まれているのだ.ドアミラーにリモコンがついていないと何だかエンジニアを尊敬したくなってしまう.数年で色あせてしまう日本車.つくる側にも問題はあるが,買う側にも問題は多い.しかしながら,これも,(しばしば述べてきたが)本物がわからない国民性だから仕方がないのかもしれない.以前の予想通り,(ヱビスを除いて)麦芽100%ビールは店頭から消えてしまった.先日,キリンが無濾過ビール(要するに酵母が生きている本物の生ビール)を発売したが,近いうちに撤退することになるだろう.銀河高原ビールに慣れているからか,味も普通だったが・・・・.
【4 April 2003】






3月1日のA級順位戦最終局は将棋ファンが一番楽しみにしている日で,拙HPへのアクセスも過去最高を記録した.

なぜ,魅力があるかというと”真剣勝負”だからだ.ここにファンはしびれるのだ.いわゆる”順位戦の手”も存在する.負けるとB級1組へ陥落! 丸山九段(前名人)には,負ければ陥落の可能性があった.横綱でも十両まで2場所で落ちるところが”順位戦”の怖いところ.話は変わるが,”*段昇段後,***勝で*段昇段”の類の無意味なファンを馬鹿にした規定は,即刻廃止してもらいたい.身近なところでは,A級順位戦に参戦したことがない棋士が”八段(あるいは九段)”を名乗っていることだ.最近,際だってきたが,地位の安泰なところには,何の進歩もない.
【3 March 2003】







昨日からの雪で,舞鶴自動車道のインターチェンジ付近の電光掲示板に「雪用タイヤ装着」なる表示が出ている.

雪が降っているから当然の表示のように見えるが,これは京都駅の新幹線ホームで”黄色い線までお下がりください”としつこいほどに放送しているのと同じことだ.日本は”子供”が多い.腕とかテクニックではなく,タイヤと路面の摩擦で車の基本的な運動が決まってしまうことを,幼稚園から教えるべきときに来ているだろう.”雪が降ったら”ではなく,”冬になったら”を教育するべきだ.それが浸透したときに,京都駅新幹線ホームは静かになるだろう.もう少し賢くなりたい.
【30 January 2003】






先日,本校電子制御工学プログラムがJABEE(日本技術者教育認定機構)試行審査を受審した.

(どこの組織でも)外から指摘されないと,テコでも動かない人も多い.問題点が浮き彫りになった意義は大きい.「研究」をがんばっていかないと道は開けない.問題は,”これまでに何をやってきたか”ではなく,今,何をやっているか,これから何ができるか”だ!! ここを強調しておきたい.今後,研究成果を外部に発表することは,最低限の義務となっていくだろう.何と言っても,自分が研究の姿勢を見せずに,学生に「研究しろ!」と言っても何の説得力もない.笑い者になるだけだ.たいへんな労力を費やすことになったが,JABEE審査に通るということは免許証であると考える.
【17 January 2003】






国立大学および国立高専の独立行政法人化が近づいてきた.

名ばかりの高等教育機関では,遠からず消滅する運命にあるから,外部から客観的な評価を受けて魅力ある組織に磨いていく必要がある.人間は身分が保障されれば,流れない水が腐るのと同様のことになってしまうのは周知の事実である.逆に考えると,がんばっている者が正当に評価される時代に突入するとも考えられる.どこでも問題点を抱えているはずだが,この機会によどんだ水が流れるような対策をとることが急がれるだろう.他人の猿まねではなく,何ができるのかを主張できれば,自ずと魅力がしみ出してくると考える.
【12 January 2003】






元日恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは,2年ぶりにニコラウス・アーノンクールが指揮した.

昨年は”オザワ効果”でウィーン学友協会大ホールは日本人があふれていたが,今年は少ないように見えた.ブラームスを入れるという新企画もよかった.正月に聴くからニューイヤーコンサートは何倍も感激するのだろう.ウィーンでの演奏が同時刻に味わえるという今では当たり前となった”衛星生中継”,これ自体もたいへん素晴らしいが,陰で支えている人々にも感謝したい.


ウィーン楽友協会大ホールウィーン楽友協会


【3 January 2003】







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