H25年度 活動報告(櫻井)

平成25年度 分子科学研究所 受け入れ技術研修

概要

9月2日から6日にかけて、愛知県岡崎市にある自然科学研究機構分子科学研究所の技術課が主催する受け入れ技術研修に参加しました。 この受け入れ技術研修には昨年度、能勢第2部門主任が参加しております。今回は以下の項目を目的として研修に臨みました

  1. ワイヤー放電加工機の基本操作に慣れて、加工精度を上げる加工条件を見つける方法を知る。
  2. 年度末に本校実習工場にCNC旋盤を新規導入する予定であり、それに向けてCNC旋盤の基本構造を実際に見て基本操作に慣れる。

装置開発室見学

 技術課の機器開発技術班と電子機器・ガラス機器開発技術班が配属される装置開発室の施設や機器を見学させていただきました。マイクロ流路を製作する装置などを初めて見ることができました。


専門技術研修

 機器開発技術班の矢野様のご指導の下、装置開発室にあるワイヤー放電加工機とCNC旋盤を用いた加工を行い、最終日にその成果を発表しました。


1.ワイヤー放電加工機研修

 ワイヤー放電加工とは、ワイヤーと被加工物との間に放電現象を起こして、そのとき発生する熱で被加工物を溶かして切断する加工法です。最初に、ワイヤー放電加工機(三菱電機製DWC90H)の基本操作を覚えるため、JIS B6360で定められる試験体を加工しました。本校既設のワイヤー放電加工機とは機種が違うため操作に慣れるのに時間がかかりました。次に、はめあい部品を製作しました。目標のはめあい公差になるまで加工条件(特にオフセット量)や加工経路を変えて試行する作業を何度も行いました。加工の際に、治具を多用しており、治具を活用して加工精度を出すことが肝要であると再確認しました。


2.CNC旋盤

 CNC旋盤(Mazak製SUPER QUICK TURN 100MY)に搭載されている対話式プログラムを用いてM42のボルトとナットのねじ切り加工を行いました。CNC旋盤を操作すること自体、今回が初めてでしたが、マニュアルを見ながら普通旋盤の知識を活用して操作しました。

   

 
専門技術研修における加工物


TIG溶接実演

 舞鶴高専で行っているTIG溶接の模擬授業を機器開発技術班に対して行いました。暗くて見えづらい溶接面を着けている最中に溶融地(金属が融けて液体になっている部分)を、初心者の学生が視認しやすい方法について話しました。


まとめ

 研修を通して、自作してでも治具を活用することが加工精度を出すうえで重要であると再確認しました。また、CNC旋盤の操作を初めて行うことができて大変有意義でした。今回学んだことを工作実習授業に生かしていきたいと思います。

 最後に、研修を受けるにあたりご協力いただいた技術課の皆様に,この場を借りて深く感謝申し上げます。