NIT, Maizuru College
Technical Support Center for Education and Research
1月22日に行われた、平成26年度の上記研修に参加してきました。
今回の技術職員研修は、関西国際空港にある「関西航空地方気象台」の施設見学ならびに講義と言う内容でした。
京都大学理学研究科付属地球熱学研究施設 竹村恵二 教授による講義を受けてきました。
施設見学では、まず関西航空地方気象台にある「予報現業室」を見学しました。見学の際には業務も行われて
いて、関西空港だけでなく、近隣の空港の気象状況の提供、情報収集、監視が行われていました。2交代制で24
時間365日で稼動しており、非常に重要な拠点であることも改めて知る ことができました。また、関西航空地方
気象台が入っている建屋の屋上にある「PH観測現業室」も見学もできました。この「PH観測現業室」では、関西
国際空港の周辺に設置されている各種センサやレーダなどの気象状況の監視だけでなく、実際に目視しての気象
観測も行われていました。この目視による観測は、センサやレーダなどでは判り難い霧や視程の観測がされてお
り、航空機の安全運行に対して重要な役割を果たしているものであることを知ることができました。
施設見学のあと、最初の講義は関西航空気象台の片桐予報課長ならびに丸山観測課長から航空気象業務の紹介
(観測と航空予報)と題して行われました。講義の中では、先に見学した施設設備、業務内容、航空気象観測の
役割について、さらに詳しい説明がなされました。
2つ目の講義は、京都大学理学研究科付属地球熱学研究施設 竹村恵二 教授による「「関西国際空港地盤の
地球科学」でした。竹村教授は、かれこれ40年近く関西空港の埋め立てや地盤沈下に関わっており、関西空港の
地盤のボーリングを基に、地盤沈降の度合いを測定し、数年後の沈降状態の予測もされるそうです。その測定や
予測に必要なのが地盤のボーリングで、関西空港の敷地だけでも100本を越えるのボーリングを行い、関西空港の
下にある地層から、数百万年前までの様子を読み取ることで、地盤沈降の予測などをされているそうです。
このボーリングは、関西空港だけでなくその周辺を含む大阪湾全体にもおよび、これによって、大阪湾全体の
様子を解析してきたそうです。竹村教授の解析の結果、大阪湾は過去に13回もの大規模な地盤沈降と隆起があり、
海であったり、湖(淡水)であったり、陸地として存在したりと、ボーリングからさまざまな情報が得られたそ
うです。
また、関西国際空港の埋立地も、第一期工事、二期工事と行われ、地盤沈降の様子やその対策についても、解
説がなされ、非常に興味深く拝聴することができました。