システム制御情報学会 学会誌 「システム/制御/情報」 55 巻 5 号,2011 年
[1] 制御系解析・設計における数値計算/数式処理ソフトウェアの活用(川田)
plant.m
M ファイル plant.m は,- 制御仕様を考えたときの一般化制御対象の係数行列
- 極配置仕様を考えたときの円領域
図 1 アクロボット(動画はこちら) |
図 1 のアクロボットを考える.このアクロボットは,モータにより能動リンク(リンク 2)を回転させることで,受動リンク(リンク 1)の角度 をその目標値 に追従させることを目的としたシステムである.この動作は,体操競技の上水平支持(うわすいへいしじ)に相当する.
アクロボットの非線形モデルは,
である(パラメータの意味については,M ファイルを参照).リンク 1 が真上,リンク 2 が真下で静止しているような平衡点を考え,1 次近似線形化モデルを導出すると,
となる.この 1 次近似線形化モデルに対して,積分型コントローラ
を設計する.ただし,
である.
図 2 一般化制御対象 |
安定化コントローラの設計仕様としては,以下のものを考える.
- 制御仕様:
図 2 の制御系を構成したとき, が
に与える影響を小さくするため,
を満足する を最小化する.ただし,
であり,
は重み関数, は微分演算子である.
したがって,一般化制御対象は
となり,さらに,これを書き換えると,次式が得られる.
制御仕様だけでは,コントローラのゲインが過大となり,実用上,好ましくない.そこで,以下の設計仕様も考える.
- 極配置仕様:
閉ループ極 ( の固有値) をすべて円領域
に配置する.
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