KOSEN型産学共同インフラメンテナンス
人材育成システムの構築

取組概要

我が国では、人口減少・少子高齢化を背景とした生産年齢人口の減少の加速とともに、社会基盤(インフラ)の高齢化・老朽化が急速に進展しています。全国には約73万橋(国道3割,市町村道7割)の橋梁ストックがあり、このうち架設後50年以上経過する橋梁が10年後には5割を超える等、インフラの安全・機能確保対策の必要性は大きく、維持管理・修繕等の需要は今後確実に増大します。一方、地方では、多くの自治体(町の3割、村の6割)で橋梁保全業務に携わる土木技術者が不在であると同時に、地元企業には高等教育を受けた技術者が非常に少なく、実務者のインフラメンテナンス分野での経験も乏しいです。また、建設技術者のICTスキル不足から建設現場の生産性が低く、建設業界への入職者は減少傾向が続いています。将来にわたって、インフラの機能劣化により経済競争力の低下や安全・安心が脅かされる事態が生じないよう適切に対策を実施していくには、インフラメンテナンスの担い手の確保と技術力の維持・向上が必須です。更に、大きな社会の変革としてSociety5.0が訪れようとしており、インフラメンテナンスにおいても人工知能(AI)、ビックデータ、IoT、ロボティクス等の先端技術の活用が本格化する中、ICTスキルの修得は不可欠です。建設技術者は、現場でインフラの維持管理・修繕に携わりながら、技術力の維持・向上や新たなスキル修得のための学びを続ける必要がりますが、時間や費用の制約、キャリアとの関係等が学びの障害となっています。このため,働きながら学びを続けるための環境整備や,職業能力の向上とキャリア・アップに繋がる教育プログラムの構築等、社会人のための学び(リカレント教育システム)を設計することは喫緊の課題です。

本事業では、舞鶴工業高等専門学校社会基盤メンテナンス教育センター(略称,iMec)が中核拠点となり、産学と地域が連携し、インフラメンテナンスのリカレント教育推進のための産学連携コンソーシアムを形成し、『KOSEN型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築』を行います。まず、建設技術者のスキル・キャリア向上のためのリカレント教育プログラム「橋梁メンテナンス技術者育成のステップアップ型教育プログラム」を開発し、高専のスケールメリットを活かして全国展開するための教育拠点を、連携高専に整備します。また、リカレント教育プログラムの講師となる実務家教員を育成する研修プログラムを開発・実施し、舞鶴高専社会基盤メンテナンス教育センターから各地域の教育拠点へ実務家教員を派遣・活用する仕組みを構築します。更に、本事業終了後のリカレント教育事業の継続性確保のため、構築した人材育成システムをバックアップする組織(公益法人等)を創設し、将来にわたり、各地域の高専が核となってインフラメンテナンス人材育成を推進する体制の実現を目指します。

取組概要(PDF/346KB)

紹介パンフレット(PDF/6341KB)

オール国立高専による全学的推進体制

この取組は,オール国立高専及び広範な企業・自治体・大学等との全国規模の連携体制の構築におけるモデル事業として,国立高等専門学校機構全体として支援するものです。各校においても本取組への全学的な支援体制を構築し,KOSEN型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築に向けて尽力してまいります。

国立高専には,インフラメンテナンス分野の他にもリカレント教育においてイニシアチブをとれる分野が数多くあります。我が国が本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えた今,Society5.0の中核となる技術人材を育成するためのリカレント教育は極めて重要であり,全国51国立高専のスケールメリットとネットワークを活用した本格的な取組が期待されています。本取組を契機に,国立高等専門学校機構全体として新たな時代に向けた舵を切り,リカレント教育による技術人材育成の高専発・グッドプラクティスを創出してまいります。