iMec-社会基盤メンテナンス教育センター-

iMecについて

ごあいさつ

舞鶴工業高等専門学校
建設システム工学科 教授
社会基盤メンテナンス教育センター
センター長 玉田 和也

予防保全の中核的施設として。

独立行政法人国立高等専門学校機構舞鶴工業高等専門学校では、社会基盤(インフラ)の高齢化・老朽化が急速に進行する中、地方公共団体、特に市町村が管理する橋梁等に対するメンテナンス技術力の不足が深刻なことを受け、インフラの維持管理・修繕等に対応できる人材育成を行う機関として、平成26年1月23日に社会基盤メンテナンス教育センターを開設しました。

当センターは、現場に密着した教育センターとして、メンテナンス技術に特化した実践力ある人材を育成することをモットーとしています。当センターが実施する講習会では、全国の建設系の高専生、地方自治体職員、民間土木技術者等を幅広く受け入れ、座学だけでなく、非破壊検査の実習、劣化橋梁部材の実物や供用中の橋梁等による体験型学習を組み合わせた実践的な教育を実施しています。平成28年度からは、アクティブ・ラーニングを基軸としたインフラメンテナンス技術者育成カリキュラムとして、eラーニングと講習会を組合せた“e+iMec講習会”を開催し,橋梁メンテナンスに関する技術資格認定を実施しています。また、メンテナンス工学に関する調査・研究、地方公共団体等への技術支援、産学官連携のコーディネート等にも取り組み、予防保全の中核的施設として地域社会に貢献することを目指しています。

令和元年度から、文部科学省Society5.0に対応した高度技術人材育成事業「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」の中核拠点の取組として、『KOSEN型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築』(KOSEN-REIM)を開始しました。KOSEN-REIMでは、橋梁診断までのリカレント教育プログラム体系を構築する他、技術継承を担う実務家教員を育成し、当センターの取組を高専のネットワークを生かし全国展開することを目指しています。

今後とも、建設技術者のメンテナンス技術力向上のため、行政機関、民間企業、教育機関等において当センターをご活用いただくとともに、当センターの活動及びビジョンへのご理解・ご賛同と格別のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

» 社会基盤メンテナンス教育センターパンフレット(PDF/3MB)

社会基盤が老朽化して安全な暮らしが危機に

安全・安心な暮らしには、橋梁やトンネル、高速道路等の社会基盤(インフラ)の適正な維持管理が不可欠です。インフラの老朽化が全国的に問題となる中、市町村は技術力不足のため適切な維持管理が困難な状況にあります。『建設』から『維持管理』へ思考を転換し、インフラの維持管理や修繕等に対応できる人材の育成が急務です。

社会基盤の維持管理に関する実践的教育施設

社会基盤メンテナンス教育センター(iMec)は、インフラの維持管理に関する実践的な教育システムを構築するため、平成26年1月23日に舞鶴工業高等専門学校内に開設されました。全国の高専生や地方自治体職員、民間技術者などを幅広く受け入れ、現場に密着した教育センターとして、維持管理技術に特化した人材育成を行います。


座学と体験型実習による効果的な教育を実施

iMecが実施する講習会では、インフラの劣化発見や点検技術向上のため、座学に加え、非破壊検査の実習や全国各地から収集した橋梁の劣化部材の見学等の体験型学習を行っています。また、橋の長寿命化修繕計画の策定や修繕工事の実施に必要なノウハウ、行政の課題解決の取組みについて、実際の事例から学ぶことができます。

予防保全の中核的施設として地域社会に貢献

メンテナンス工学の構築に取組み、予防保全のループ(調査点検→診断評価→劣化予測→補修補強→記録保存→調査点検)を繋ぐために必要なノウハウを提供します。メンテナンス業務の品質確保のための資格認定、地方公共団体への技術支援、産学官連携のコーディネート等に取組み、予防保全の中核的施設として地域社会に貢献します。

iMecの体制

iMecは、京都府及び府内市町村、国土交通省近畿地方整備局、(独)土木研究所構造物メンテナンス研究センター(CAESAR)、施工技術総合研究所、NEXCO西日本等道路管理会社、各業界団体や全国の高専・大学等と連携し、インフラの維持管理・修繕ノウハウの確立に向け、より実践的な教育センターの構築を目指しています。

iMecの体制

iMec360度パノラマビュー

iMecが保有する劣化部材をご覧いただけます。 パノラマビュー入口

iMecコレクション

iMecには、全国で更新に伴い撤去された橋梁の部材を実物劣化モデルとして、実習フィールド(約500㎡)に収蔵・公開しています。

中国自動車道西下野高架橋のRC床版

(1975年建造,NEXCO西日本提供)

  • 3径間連続非合成鈑桁橋のRC床版
  • 床版の疲労と内在塩分および散布融雪剤による塩害による損傷,疲労による床版下面のひびわれ,主鉄筋の断面欠損,上面増厚工法(SFRC)増厚部の剥離

神戸橋のRC橋脚張出部

(1964年建造,CAESAR提供)

  • 5径間単純鋼箱桁橋のRC橋脚張出部
  • RC橋脚張出部のアルカリ骨材反応
  • アルカリ骨材反応が発生したコンクリート躯体,亀甲状の外面ひび割れ,切断面の観察により内部ひび割れを確認できる

能生大橋の桁端部

(1966年建造,CAESAR提供)

  • 単純PCポストテンションT桁橋5連の桁端部
  • PC鋼棒+シース管+グラウトの観察,コンクリート表面保護,端横桁,床版横締鋼棒,地覆+排水装置ひびわれ

大雲橋歩道橋

(1978年建造,京都府提供)

  • 単純合成鈑桁橋
  • 鋼Ⅰ桁の部材,塗装の劣化(チョーキング),連結部の構造と発錆状況,トルシア形高力ボルト,疲労クラック発生部位の確認

二十六木橋の桁端部パネル(リベット造)

(1928年建造,CAESAR提供)

  • 鋼鈑桁橋の桁端部パネル
  • 少数主桁+横桁+縦桁構造,桁端支点部の錆による腹板貫通孔・減厚,リベット構造による断面構成,現場継手

落ヶ池橋の支承

(1973年建造,兵庫県道路公社提供)

  • 鋼単純合成箱桁橋の支承
  • ピポット支承及びローラー支承の構造,地震時弱点部の観察,ピボットプレート,サイドストッパー,防塵プレートの損傷

森巣橋のゲルバー部

(1931年建造,大阪市提供)

  • 3径間ゲルバー式鋼鈑桁橋のゲルバー部
  • 同年代の鉄道橋で使用されていたヒンジ構造で,リベット造による断面変化の構造

耐候性鋼材の主桁

(2000年建造,岐阜大学提供)

  • 鋼単純非合成鈑桁
  • 災害により落橋し撤去された主桁部材
  • 鋼桁の終局時の変形状態の観察,耐候性鋼材の経年劣化

勝瀬橋塔の塔頂サドル部

(1959年建造,CAESAR提供)

  • 日本初の斜張橋である勝瀬橋塔頂サドル部
  • 斜張橋ケーブルが塔頂を貫通していた時代の塔頂部の部品,2段ケーブル,ケーブルはより線

鋼単純曲弦ワーレントラス橋格点部

(1931年建造,CAESAR提供)

  • 3径間鋼単純曲弦ワーレントラス橋の格点部(リベット造)
  • リベット構造による部材断面構成,塗装塗替え時の狭隘部・ケレン不可能部分,塗装劣化状態

鳥飼大橋の支承

(1954年建造,大阪府提供)

  • 9径間ゲルバー式トラス橋のピン支承とピンローラー支承
  • ピン支承の構造
  • ピンローラー支承の構造,ロッキング機構,橋軸直角方向や上揚力に対する機構

子馬巣谷橋のRC床版(桁端部)

(1967年建造,福井県提供)

  • 下路式ランガー桁橋の桁端部RC床版
  • 裏面鋼板接着
  • 床版内の水平方向ひびわれ(伸縮装置の影響),アルカリ骨材反応と凍害,塩害の達成損傷

子馬巣谷橋のRC床版(支間中央部)

(1967年建造,福井県提供)

  • 下路式ランガー桁橋の支間中央部RC床版
  • 裏面鋼板接着
  • 鋼板接着していない張出部の床版に遊離石灰あり,地覆周辺に凍害,床版内の水平ひびわれなし

森巣橋の桁端部

(1931年建造,大阪市提供)

  • 3径間ゲルバー式鋼板桁橋の桁端部
  • 上フランジを巻き込む構造になっているRC合成床版
  • 桁端部の錆による孔食・減厚,玉砂利を使用したRC床版

余部鉄橋の桁・橋脚

(1912年建造,JR西日本提供)

  • 23連のガーダー橋
  • 約100年前にドイツ・アメリカから輸入した鋼材で明治時代の技術者が造りあげた部材

白川橋の支承部

(1959年建造,熊本市提供)

  • 単純ローゼ桁橋の支承部
  • 平成28年(2016年)熊本地震で被災した橋,地震によりピン支承のピンが破断・脱落した

岡安橋の鋼リベット桁

(1945年以前建造,舞鶴市役所提供)

  • 単径間鋼リベット桁
  • 旧海軍が建設した橋梁と伝えられている
  • 主桁端部は断面減少,著しい腐食,支間中央部は表面錆程度,目立った損傷はない

原田橋(吊橋)のサドル部・ケーブル定着部

(浜松市提供)

鉄道橋

(えちぜん鉄道提供)

スタッフ紹介

iMecは、現在、教授1名、准教授1名、特命准教授1名、特命助教1名、技術補佐員1名,事務局4名で運営しています。

スタッフ

Dr.MAMORUN

iMecキャラクター
Dr.MAMORUN

  • センター長

玉田 和也(たまだ かずや)

  • 舞鶴工業高等専門学校 建設システム工学科 教授
  • 博士(工学)
《学歴・職歴》
明石工業高等専門学校 土木工学科卒業
長岡技術科学大学・大学院 建設工学課程修了
駒井鉄工株式会社
  • 副センター長

毛利 聡(もうり さとし)

  • 舞鶴工業高等専門学校 建設システム工学科 准教授
  • 博士(工学)
《学歴・職歴》
広島大学・大学院 工学研究科博士課程修了
清水建設株式会社

嶋田 知子(しまだ ともこ)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 特命准教授
  • 一級建築士
《学歴・職歴》
関西大学 工学部建築学科卒業
東京工業大学大学院 総合理工学研究科環境理工学創造専攻修了
国土交通省

掛 園恵(かけ そのえ)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 特命助教
  • 測量士補,コンクリート診断士,コンクリート構造診断士,
    社会基盤メンテナンスエキスパート
《学歴・職歴》
呉工業高等専門学校 環境都市工学科卒業
日本ミクニヤ株式会社(現職)

辻村 さやか(つじむら さやか)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 技術補佐員
  • 司書
《学歴・職歴》
慶應義塾大学文学部 図書館・情報学科卒業
国立国会図書館

加登 朋恵(かと ともえ)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 事務局

田谷 友美(たや ともみ)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 事務局

大田 誠(おおた まこと)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 事務局

芦田 洋子(あしだ ようこ)

  • 舞鶴工業高等専門学校 社会基盤メンテナンス教育センター 事務局

access

学校案内図

校内配置図

《所在地》
〒625-8511 京都府舞鶴市字白屋234
独立行政法人 国立高等専門学校機構
舞鶴工業高等専門学校内
《アクセス》
車で/ 舞鶴若狭道舞鶴東ICから10分
バスで/ JR東舞鶴駅から京都交通バス「朝来循環線」に乗車、「高専前」で下車
鉄道で/ JR小浜線「松尾寺駅」で下車、徒歩25分
《お問い合わせ》
舞鶴工業高等専門学校内
社会基盤メンテナンス教育センター
電話:0773-62-8877(直通)
Eメール:imec[at]maizuru-ct.ac.jp
※[at]を@(半角)に変更してください。