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130 2025

学校の様子

【クラブ活動】文学研究会の様子(2025.1)

【クラブ活動】文学研究会の様子(2025.1)

文学研究会では、年に2度、部誌「稔―minority―」を発行し、教室に配布したり、高専祭で展示したりしています。
毎号部員がテーマを決め、それに沿った小説やエッセイ、詩、マンガ等を執筆しています。
印刷から製本、配布まで、すべて部員で行っています。
今年度は、「傘」(第5号、20246月発行)、「月と、」(第6号、202410月発行)のテーマで制作しました。

今回は、「月と、」のテーマで執筆制作した最新号の中から、一部を抜粋してご紹介します。
部誌を制作し始めた世代が卒業して1年目、まだまだ手探りな中、着実に後輩につなぐ活動を積み重ねているところです。
外部の方には、今のところ高専祭でしか読んでいただく機会を作れていませんが、学生の皆さんは、よろしければ教室後ろに掲示している部誌をお手に取っていただければ幸いです。

 

 薪が爆ぜる。
 火の粉が飛んで、少し上って消える。
 既に辺りは暗く、人の気配はない。
 持っているカップを傾けて、珈琲を飲む。
 ほぅっと息を吐いて空を見上げると、ちょうど月が輝いていた。

 (「秋風に」冒頭)

「遠回しに告れって言ってます?」
「ちゃんとするなら考えるよ」
「まるで私がちゃんとしてなかったみたいじゃないですか」
「してないから言ってるんだよ」
「それでも見捨てない先輩優しいですね」
「優しさを感じるより反省をしてほしい」
「日々新しいタイプの告白を考えてます」

(「コインは投げられた」抜粋) 

 私たちが歳を重ねていく中で、いつも変わらない表情をしている地球の衛星、月。特徴的なクレーターは、地球に降り注がれるはずだった隕石を肩代わりしているという話もある。いつも見えるからこそ存在が当たり前であると感じてしまうが、実は色々と助けて貰っている部分がある。例えば、潮の満ち引きという現象は、月の引力によって引き起こされる。

(「能ある月は裏面を隠す」冒頭) 

 冗長なまでに間延びした夏が忽然と姿を消し、押しつけがましい暑さから一転、よそよそしい秋の肌寒さを感じる九月の末。花曇りのような退屈な講義を終えたのち帰路に立つこの足は、まるで後世に名を遺し得る偉業を成し遂げた後のような疲労感を主張し、その歩みを妨げる。

(「鼈」冒頭)

 

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