7月18日 2025
学校の様子
【人文科学部門】世界記憶遺産「白樺日誌」の分析発表を行いました。

3年生の総合国語ⅡAの授業では、地元舞鶴の遺産に触れる取り組みの一貫として、舞鶴引揚記念館所蔵「白樺日誌」中の短歌を分析するグループワーク&発表を行いました。
「白樺日誌」は、ユネスコ世界記憶遺産にも登録されており、シベリア抑留中の瀬野修氏が白樺の木の皮に短歌や俳句をしたためたものです。
国語の教科書に掲載されているシベリア抑留に関する評論を読み、近代短歌を学習した後、グループごとにわりあてられた範囲の中から、短歌を2首選び、比較分析を行いました。
それぞれに面白い観点で2首を選び、その意味を味わい、共通点や相違点を考察しながら、そこから見えてくる抑留中の暮らしや人々の想いに、長い時を越えて寄り添っていました。
中には、抑留中に食べられていたような黒パンを実際に作ってみたり、熾烈を極める食事の分配のための機器を製作してみた、という、短歌分析だけに留まらない、高専生ならではの斬新なアイデアで発表するグループもありました。
発表後の感想では、「抑留生活の中では生きることすら困難で、帰国への希望や、日々の些細な、本来なら気付きすらしないような物事を心の支えとして生活しなければいけなかったことが分かった。」や「(短歌という)限られた文字数の中に、作者の感情や置かれた状況が凝縮されており、私たちの心に深く響く短歌の表現力に感動した。」というような声がありました。